海苔のおはなし

第27話 海苔は自然の賜物

日本有数の海苔の産地として名高い有明海は、熊本、福岡、佐賀、長崎の九州4県に面し、1,700m²もの大きな海域に比べ、外海に開かれた口が大変狭い形をしています。日本の40%以上の広大な干潟を有し、干満の差が大きく最大6mにもなる場所もあります。また、山からたっぷりと栄養を含んだ川の水が多く流れ込み、有明海特有の貴重な自然環境があり、ムツゴロウやワラスボなど、この地域でしか見られない特異な生態系となっています。

海苔の養殖が有明海で盛んになったのは戦後1960年代。一方、江戸時代より浅草海苔の養殖が盛んだった東京湾は埋め立てが進み、ついに1960年代には海苔の養殖は行われなくなりました。東京で海苔の養殖が途絶えたころと前後して、有明海では、イギリスのドゥルー女史の海苔の生態発見の功績により急速に海苔の養殖が発展していきました。

有明海が誇る干潟は、海苔の養殖をはじめ、魚介類の発生や育成の場となったり、アサリ漁やクルマエビ、真珠の養殖などに適しています。その他、渡り鳥の中継地点になるなど、多くの自然の恵みを供給してくれる貴重な存在です。かつて、有明海以外にも日本全国には多くの干潟を見ることができましたが、その多くは埋め立てられその姿をとどめていません。東京湾も同様です。

干潟なくしては、良質で美味しい海苔の恩恵は得られません。しかし近年、有明海でも海の汚染、土壌汚染、森林伐採による土壌の質の低下などの問題が浮き彫りになってきました。現在、有明海に面した県や市民団体などは、大切な有明海の自然を守るため、「豊かな海を取り戻すためには森の再生が不可欠と植林活動」、「海の浄化作用もあり雑魚やエビなど小さな生き物の隠れ場所になるアマモの育成活動」、「小中学生を対象にした干潟での体験学習」など、様々な活動を行っています。
また、身近なところでは「台所で食用油を流さない」「洗剤を使いすぎない」「川や海にゴミを捨てない」「減農薬、減化学肥料栽培の農作物を選ぶようにする」「家庭排水は正しい方法で」などを実践しています。これらは有明海に面した地域の人だけでなく、地球上に住む我々すべてが意識するべきことともいえます。海苔は自然からの賜物。我々もその自然へ敬意を払いたいものです。

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