海苔のおはなし

第64話 海苔と郷土料理(1)

郷土料理とは、その地域に根付いた産物を使い、その地域独自の調理方法や地域で広く伝承されている地域固有の料理のことです。日本各地に様々な郷土料理が存在しています。「海苔のおはなし」でも、数回にわけて、「海苔が使われている郷土料理」を紹介していきたいと思います。今回は、海苔生産が行われている千葉県の郷土料理をご紹介します。

千葉県での海苔生産は、江戸前の海苔の需要の高まりを受け、さらなる生産地として開拓されたことがはじまりです。君津市の小糸川の河口付近には広々とした豊かな干潟が広がり、「上総海苔」養殖の発祥の地となりました。現在では、その発祥地は埋め立てられ、巨大な製鉄工場群へと変化しましたが、そこで始められた海苔生産は、他の地域に受け継がれて行われています。

さて、その千葉県の代表的な郷土料理は、「太巻き飾り寿司(ふとまきまつりずし)」です。この寿司は、「太巻き寿司」、「房総巻き」、「飾巻き寿司」などさまざまな名称で呼ばれていますが、「金太郎あめ」のように切り口に絵柄や文字がでる、海苔や卵で巻く美しい巻き寿司です。美しい絵柄を表現させるために、直径が10センチくらいになるものもあるそうです。
この寿司は、江戸時代ぐらいから作られ、冠婚葬祭などのご馳走として食べられたと言われています。農民が考えた寿司の一種であり、祭りや農家での祝いのために考えられた料理とされ、また、その美しい絵柄からもてなし料理としても広まりました。

四海巻き

切り口の模様は、地域や家庭によって違いがあるようですが、この飾り寿司の中に「四海巻き」というものがあります。「四海」とは"四方の海"の意味だそうで、寿司の四隅は"波紋"を表わしています。
千葉県は、海と山に囲まれている土地柄、魚介類も多く採れ、海苔の名産地と米の名産地でもあります。海苔と米をふんだんに使った太巻き祭り寿司が生まれたのは、周囲にある恵みを大切にした自然なことなのかも知れません。

また、海苔の養殖事業も盛んになり、お手頃な価格で海苔を手に入れることができるようになったことも、「太巻き寿司作り」が郷土料理に発展したことに拍車をかけているようです。
千葉県の美しい郷土料理「太巻き飾り寿司(ふとまきまつりずし)」を、是非ご家庭でも試してみてくださいね。

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